FXの自動売買のメリットやデメリットを解説【詐欺に注意】

FXの基礎知識 2024.02.28

FXの自動売買とは設定したトレードルールをプログラムによって自動化したものです。

その手軽さから詐欺のような手口に使われることもあり、悪いイメージを持つ方も少なくないと思います。しかしFXの自動売買は正しく理解し、使うことができれば非常に便利なトレードツールです。

この記事ではFXの自動売買をするメリットやデメリット、おすすめのFX会社をご紹介します。記事を最後まで読むことで、一般的なFXとの違いを理解できFXに対する理解が深まります。FXの自動売買を始めてみたい方は最後まで読んでぜひ参考にしてください。

FXの自動売買とは

FXの自動売買とは、あらかじめ決めておいたトレードルールに従い売買や決済の注文を行う手法であるシステムトレードをプログラムによって機械に行わせるトレード方法です。

自動売買はプログラムによってトレードが行われるため、時間にとらわれない、相場を気にしなくていいといったメリットがあります。ただし利用するFX会社によっては手数料が高くなるのがデメリットです。

下記に自動売買と裁量取引の違いを簡単にまとめました。

自動売買と裁量取引の違い
メリット デメリット
自動売買
  • 24時間トレードできる
  • 相場を気にしなくていい
  • FXの経験が少なくても始められる
  • 知識や経験が身に付きづらい
  • 手数料がかかることがある
裁量取引
  • 臨機応変に対応できる
  • FXの経験が身に付く
  • 選べるFX会社が多い
  • 結果が経験に左右される
  • 常に相場を気にする必要がある

FXの自動売買は3種類

裁量取引にはスキャルピング、デイトレード、スイングトレード、ポジショントレードの4種類がありますが、自動売買には下記の3種類があります。

自動売買は3種類
  • リピート型
  • プログラム(ストラテジー)選択型
  • プログラム(ストラテジー)設定型

それぞれにメリットやデメリットがあるため、特徴を理解し、自分にあった方法を見つけることが大切です。

リピート型

リピート型の自動売買は「リピート系FX」とも呼ばれ、自動売買の中で最もシンプルなプログラムです。自動売買の設定が簡単で、トレード経験が少ないFX初心者でも始めやすくなっています。

その仕組みは1ドルが「105円になったら買い、106円になったら売る」「107円になったら買い、108円になったら売る」という同じような注文を繰り返すというものです。

同じような値動きの幅で売買と決済を繰り返すため、一定の幅で値動きを繰り返すレンジ相場に強いのが特徴です。逆にトレンド相場に弱く、大きな値動きが発生するとプログラムが正しく実行されないことがあります。

プログラム(ストラテジー)選択型

プログラム(ストラテジー)選択型はFX会社が提示するストラテジー(トレードルール)から1つもしくは複数を選ぶ方法です。

FX会社によって提示されるストラテジーはテクニカル指標を参照することが多く、下記のようなものがあります。

プログラム例
  • MACDでゴールデンクロスが発生したら買い
  • RSIが75に達したら売り

FX会社によっては勝率やアルゴリズムが公開されていることもあり、その中から選ぶだけなので簡単にFXを始めることができます。

ただしプログラムによっては上昇相場に強い、下降相場に強い、レンジ相場に強いなどの特徴があるため組み合わせを考えるのも重要です。

プログラム(ストラテジー)設定型

プログラム(ストラテジー)設定型は自分で売買や決済のプログラムを行う方法です。FXの知識や経験、またプログラミングの知識も求められるため自動売買の中では難易度が高いと言えるでしょう。

自分でプログラムできる代表的なトレードツールにMT4(Meta Trader4)があります。MT4ではEA(Expert Advisor)と呼ばれるプログラムを自作することで自由にトレードルールを作ることができます。

プログラム設定型の自動売買はリピート型やプログラム選択型に比べて細かい調整が可能です。そのためより自分の資産や目的にあったトレードが行えます。しかしすでに記載したように、FXやプログラミングの知識と経験が求められるためFX初心者には難易度の高い方法です。

FX自動売買ツールで最も有名なのがMT4

自動売買にかかわらずFXを始めようと思ったことのある方なら「MT4(Meta Trader4)」という言葉を聞いたことがある方は多いのではないでしょうか。

MT4はロシアのMetaQuotes Software(メタクオーツ・ソフトウェア)によって作られたFXの自動売買プラットフォームです。EA(Expert Advisor)と呼ばれるプログラムをインストールすることで自動売買が行えます。

MT4の特徴は高いカスタマイズ性です。40種類以上のテクニカル指標を重ねて表示したり、線の色を変更できたりと自分にぴったりの環境をつくることができます。下記は国内でMT4に対応しているFX会社の一覧です。

主なMT4対応FX会社
MT4について

もっと詳細に知りたい方は特集記事「【MT4】おすすめ国内業者を紹介!トレーディングビューとの違いは?」をご覧ください。

EAはインターネット上で配布されている

MT4で自動売買を行うのに欠かせないEAですが、実はインターネット上で有料または無料で配布されています。そのためMT4を利用するからといって必ずしも自分でプログラムを設定する必要はありません。

配布されているEAには有名FXトレーダーの売買プログラムもあり、EAをインストールするだけで初心者でも有名トレーダーの手法を再現できます。ただし有料か無料かにかかわらず勝率の悪いものもあるので情報を精査する能力は必要です。

FXで自動売買をするメリット5つ

FXで自動売買をするメリットには下記の5つがあります。

FXで自動売買をするメリット
  • 24時間稼げる
  • 知識や経験がなくても始められる
  • トレードの100%がプログラムによって行われる
  • 損切りができる
  • トレードルールを調整できる

24時間稼げる

副業としてこれからFXを始めようと考えている方も多いのではないでしょうか。自動売買を行うことで本業が忙しいサラリーマンでも24時間稼ぐことができます。

例えば平日に8時間働くサラリーマンであれば、しっかりとFXに当てられる時間は1日3時間程度だと思います。さらに相場が最も活発になるのは、ロンドン市場とニューヨーク市場の重なる日本時間で深夜1:00頃からです。その時間のトレードは日中を本業に当てる方にとっては難易度が高いと言えるでしょう。

自動売買ならプログラムが24時間相場を監視しているため日中の働いている時間にもトレードができます。また夜寝ている間もプログラムは動いています。

自動売買なら時間を気にすることなく24時間利益を狙い続けることが可能です。

知識や経験がなくても始められる

裁量取引にくらべて自動売買はFX初心者の始めやすくなっています。なぜならトレードルールはFX会社の用意するプログラムから選べばいいからです。

FXは知識と経験が結果に大きくかかわります。初心者では自分にあったトレード手法や売買シグナルを知るのに多くの労力と資金が必要になるでしょう。またテクニカルやファンダメンタルズの情報確認も欠かせません。

自動売買には初心者が時間とお金をかけて得る情報や経験がプログラムに反映されています。そのため知識や経験に自信のない初心者でもFXを始めるハードルが低いと言えます。

トレードの100%がプログラムによって行われる

当たり前のことですが自動売買では売買から決済まで、トレードはプログラムによって行われます。そのため人間の感情を完全に排除したトレードが行えます。

FXで勝ち残るために重要なのは感情的にならず、機械的に淡々とトレードを繰り返すことです。特にFXを始めたばかりの頃はポジションを持っていないと落ち着かない「ポジポジ病」になってしまい、根拠のないまたは薄いトレードをしてしまうことも少なくありません。

トレードの100%がプログラムによって行われる自動売買ではあやふやな根拠でトレードが行われることはなく、負けることがあっても次に活かすことができます。

損切りができる

1つ前のメリット「トレードの100%がプログラムによって行われる」に関係しますが、自動売買では損切りラインに達すれば損切りが確実に行われます。

なぜ損切りが重要かというと、裁量取引では損切りができずに損失を出してしまう方が非常に多いからです。

一般社団法人金融先物取引業協会によって2018年9月27日に発表された『外国為替証拠金取引の取引顧客における金融リテラシーに関する実態調査』ではFX経験者1,000名を対象としたアンケートで「損失を出した理由」について85.5%が損切りを原因としています。

損切りをしなければ損失は確定しないため、なかなか損切りができず損失がさらに膨らむケースは少なくありません。一定の損切りラインに達したら確実に損切りを行える自動売買では余計な損失を減らすことができます。

トレードルールを調整できる

FXとプログラムの知識や経験がある方に限られますが、MT4におけるEAなどを使うことでFX会社にはない自分専用のプログラムをつくることができます。

すでにFX会社の自動売買を利用している方ならエントリーや決済タイミングとなるシグナルの数値を変更したり、裁量取引で稼げている方はそのトレードを自動化することも可能です。

FXで得た経験を自動売買に取り入れることで、24時間自分専用のトレードルールを実践することができます。

FXで自動売買をするデメリット3つ

FX初心者でも始めやすいなどのメリットある自動売買ですが、デメリットも存在します。代表的なデメリットは下記の3つです。

FXで自動売買をするデメリット
  • 相場の急変に対応できないことがある
  • 手数料がかかる
  • FXの勉強にならない

相場の急変に対応できないことがある

自動売買は、ある程度の値動きの範囲でプログラムが実行されます。

そのため相場の急変があった際には売買や決済が正しく実行されず損失が発生することがあります。

例えば重要な経済指標であるアメリカ雇用統計の発表や、要人の発言などによって相場が荒れることも少なくありません。値動きが想定される範囲を超えた際にはプログラムでは対応できないことがあります。

相場の急変が考えられる際には自動売買を一度停止するのがおすすめです。その後様子を見てから再度プログラムを再開するといいでしょう。自動売買だからといって完全に放置していると危険です。

手数料がかかる

FXの自動売買では裁量取引に比べて取引手数料が高くなることがあります。下記は国内FX業者の自動売買にかかる手数料の一覧です。

自動売買の手数料
FX会社 手数料
インヴァスト証券 1,000通貨単位あたり片道
20円(1万通貨未満)
10円(1万通貨以上10万通貨未満)
5円(10万通貨以上50通貨未満)
無料(50通貨以上)
アイネット証券 0円
マネーパートナーズ 0円
FXブロードネット 10,000通貨当たり片道200円
外為オンライン 1,000通貨あたり(南アフリカランド/円、メキシコペソ/円は10,000通貨あたり)20円
みんなのFX(トレイダーズ証券) 0円

最近では手数料が無料のFX会社も多いですが「気づいたら手数料がかなりかかっていた」とならないためにも確認は必ず行いましょう。

FXの勉強にならない

自動売買はプログラムを選択肢、放置することが多いため裁量取引に比べてFXの経験が積みにくいことがあります。

FXの世界で生き残るには常に勉強をし、経験を積み次のトレードに活かすことが大切です。裁量取引ではそれらが自然と行われますが、自動売買では自ら意識して行う必要があります。

知識や経験を積まないままではプログラムが対応しきれない急変があった際にどうすることもできません。

リスクをおさえるために自動売買であってもトレードの反省は必ず行いましょう。

FXの自動売買ツールは詐欺に使われることがある

FXの自動売買を考え調べているうちに「FXの自動売買は詐欺」などと耳にした方もいるのではないでしょうか。それによってFXの自動売買に悪いイメージを持つ方も少なくないと思います。

確かにFXの自動売買を利用した詐欺のような手口は数多く存在します。その多くは「なにもせずに月収50万円」「確実に利益が出る」などの誘い文句で自動売買ツールを購入させキックバックなどが目的です。

FXの自動売買を利用した詐欺に引っかからないためには下記の2点が大切です。

詐欺の見極め方
  • 金融庁登録の企業を利用する
  • 「絶対に稼げる」は信用しない

自動売買におすすめのFX会社4選

自動売買におすすめのFX会社を4つご紹介します。FX会社ごとの違いを理解することで自分にあったトレードが可能になります。

自動売買におすすめのFX会社
  • 外為オンライン(iサイクル2取引))
  • インヴァスト証券(トライオートFX))
  • FXブロードネット(トラッキングトレード))
  • アイネット証券(ループイフダン)

外為オンライン(iサイクル2取引)

iサイクル2取引の取引開始、トレンド転換

外為オンラインはリピート型の自動売買であるiサイクル2取引、サイクル2取引を採用しています。特におすすめなのがiサイクル2取引です。

サイクル2取引を含むリピート型の自動売買はレンジ相場に強く、トレンド相場に弱い傾向があり、価格が一定の範囲を超えると正しく動作しないことがあります。

iサイクル2取引では値動きの幅に対して売買が行われるため、トレンドが発生しレンジ相場を抜けても自動でトレンドを追従してくれます。

外為オンラインの始め方
  • ランキング方式
  • マトリクス方式
  • ボラティリティ方式

ランキング方式を使えばランキング形式で表示されるシミュレーション結果から選ぶだけなので初心者にも始めやすくなっています。

\運用コースを確認/
外為オンラインの公式サイトへ
外為オンラインの公式サイトへ

インヴァスト証券(トライオートFX)

インヴァスト証券のトライオートFX

インヴァスト証券(トライオートFX)の特徴は高い勝率、収益率とカスタム性の高さです。

勝率についてですが、2018年4月から2020年3月の24ヶ月における各月の損益でマニュアル取引5勝、自動売買19勝とマニュアル取引に対して高い勝率を誇っています。その勝率は約79%です。

期間収益率は160%を超えるプログラムもあり、トライオートFXを始める際にはランキングや過去の実績を見ることができるのでプログラムに迷うこともありません。

またトライオートFXでは「ビルダー」という機能を使うことでプログラミングの知識不要で既存のプログラムをアレンジしたり、新しいプログラムを作ることができます。

さらに認定ビルダーと呼ばれるトレーダーのブログが公開されており、FXの収益で生活する方達のプログラムやシミュレーションを見ることができます。

\利用者の声を確認!/
インヴァスト証券の公式サイトへ
インヴァスト証券の公式サイトへ

FXブロードネット(トラッキングトレード)

トラッキングトレード

FXブロードネット(トラッキングトレード)は小さな利益をこつこつと積み上げる、一般的なリピート型の自動売買です。一つ違うのが幅広く注文を設定することで、リピート型の弱点を克服している点です。

トラッキングトレードは買い注文・売り注文の条件を幅で設定
リピート型の自動売買は一般的にトレードを行う価格の範囲を決め、その範囲の中で売買を繰り返します。そのため相場が範囲内に収まらなければいつまで経ってもトレードは行われません。

トラッキングトレードでは現在の相場に合わせて買い売り1セットのイフダン(IFD)注文を幅広く設定します。そうすることで相場が上下のどちらに動いてもチャンスを逃すことがありません。

また開始時のプログラム設定ではトラッキングトレードを使った3ヶ月の利益を競う「ガチンコバトル!」のプレイヤー4人の設定をそのまま真似できる「ワンタッチ設定」があるため百戦錬磨のプレイヤーと同じトレードができます。

\お見逃しなく!/
FXブロードネットの公式サイトへ
FXブロードネットの公式サイトへ

アイネット証券(ループイフダン)

ループイフダンの紹介画像1

アイネット証券ではループイフダン(IFD)注文によってリピート型の自動売買でありながら上昇相場、下落相場、レンジ相場の全てに対応できるのが特徴です。

アイネット証券のループイフダンは3種類
  • ループイフダンBタイプ:上昇相場
  • ループイフダンSタイプ:下落相場
  • ループイフダンBS:レンジ相場

またアドバイス機能があるため「必要資金は足りているか」「過去の値動きはどうなっているか」を確認できるため、誤った判断でのループイフダンの停止やロスカットを未然に防ぐことができます。

結果としてアイネット証券では利用者の資産が平均で127%に増加しています。

※2020年度(4月から翌年3月31日)の利用者が対象
\利用者の声を確認!/
アイネット証券の公式サイトへ
アイネット証券の公式サイトへ

FXの自動売買を始めてみよう

FXには裁量取引と自動売買の2種類があり、自動売買とは一定のルールでトレードを行うシステムトレードを自動化したものです。

プログラムが24時間自動でトレードを行うため時間を選ばない、特別な知識経験を必要としないなどのメリットがあります。デメリットは相場の急変への弱さや、FXの経験をあまり積めない点です。

自動売買に慣れてきたらMT4などを使うことで、プログラムを設定することができ自分だけの売買プログラムを作ることができます。またFX自動売買はその手軽さから詐欺に用いられることも少なくないため注意が必要です。

 
関連記事